朝早く起きるための100の方法

世界を手のひらサイズに切り取ります。

よんだもの

最強の競馬論

森秀行の競馬論。
すごく面白かった。
・競馬の3000mはマラソンではなく、人間でいうと800mくらい
・最高の調教はレースに出すこと
・レースで勝つことだけが出走の目的ではない、出走の目的は獲得できる利益(賞金+α)の最大化
など目から鱗。
面白過ぎる。
ここまで赤裸々に語っていいものか、というくらい。
もちろんトップ調教師ですからね。
これが今から15年くらい前の本。
今はどこまで進んでいることやら。

ルポ 電王戦 人間vs.コンピュータの真実

松本博文のルポ。
良い本だと思う。
バランスよく様々な要素が交錯した電王戦を、うまく黎明期のエピソードをカットバックで
入れながらまとめている。
ponanza開発者の山本一成にべったり寄りすぎて、その距離感だけは受け入れられなかった。
婚約者の藍さんだけ下の名前でずっと表記していたのも。
他のプレイヤーとの節度ある態度を山本さんに対しても取ってくれれば満点だと思いました。

タイミング的に入らなかったのか、森下の年末の奮闘にもしっかり触れてほしかったなあ。

神様から一言

萩原浩の小説。
大学の時の同級生が卒業して二年くらいたって「にいさん読んだらええんちゃう。」と
勧めてくれた本で、再読。
あの時はもっと面白く読んだと思うのだが、再読したらあんまりぐっと来なかった。
あの時はわからないが、奴はこの小説のメインキャストの一人に俺を見ていたように思う。
心外である!

アイネクライネ

伊坂幸太郎の小説。
これも引越を機に課題図書に。
こんなに甘いの俺好きだっけというくらい甘いのだけど、良いです。
素直に読んで、素直に幸せになってしまえ。

悼む人

天童荒太の小説。
印象的な表紙の本で、亡父の本棚から借りてきた。
もっと早く読んでおけば良かったと何度も思った。
読まないままでずるずる来たのだが、これも引っ越を機に課題図書に指定。
残りページが少なくなって、家で読み切ろうとしたら失敗して、
通勤している途中に歩きながら読み、電車に乗ってからも離さず、
海浜幕張駅直前で読み終わり涙を抑えるのに一苦労。
感動は人の感情の一形式であるが、この本からはそれをたっぷり頂いた。

邪魔

奥田英朗の小説。
随分前から家はあって(多分妻の物)、気になっていたのだが引越を機に課題図書に選定し読んでみたところ大変面白かった。
奥田さんの小説はインザプールや空中ブランコで堪能していたつもりでいたのだが、もっと懐深かった。
ああ、そういうのはずるいわい、と思ったけどもう引き返せないくらいひきつけられていたので、最後までぐいぐい。

彼女について

吉本ばななの本。
大変面白かった。
初めなんの説明もなく物語が始まるので、しばらくはとっつきにくい展開でしたが、理解できるとともにぐっと引き込まれました。
また読み返すことになると思います。 

あなたの前の彼女も昔はヒョードルだミルコだと言ってた筈だ

菊池成孔のプロレスについてのインタビュー本。
精緻に組み上げられた箱庭を覗いた気分になる。
プロレスは見立てに醍醐味があるが、ものすごく頭が良くて自分で完結できる一人の人の見立てを五年にも渡って追う体験はなかなかできない。
桜庭に対する見立てが一番衝撃でした。

真説・長州力 1951-2015

田崎健太による長州力の評伝。

長州力の人生を本人を含む多くの人の証言と、事実の積み重ねで描いた労作。
終盤5分の1くらいはテンションが下がっているように感じられたが、それもまたリアル。
存命の人物を描くのはどうしても難しい。

プロレス界という虚実入り乱れた世界を生き抜いてきた人たちを向こうにして、意味のある証言を取っていくのは本当に大変なことだったと思う。
対象がまだ生きているとなればなおさら。

僕の仕事も誰が本当のことを言っているかわからない状態はよくある。
それが故意なのかそうでないのかも含めて。
故意に嘘をつかれているならあきらめるしかない、と仮定して判断を進めることがあるが、考える余地がありそうだ。
まあ、真実を知ることが目的である田崎さんと、そうではない僕の違いはあるのだけれども。

長州力はアントニオ猪木の率いた新日本プロレスからジャイアント馬場の率いる全日本プロレスへ移り、また新日本に戻り、自分の団体を作り、もう一度新日本に戻り、また出た。
その意味でアントニオ猪木本、ジャイアント馬場本に欠けていた視点を補完することができた。

プロレス界に関係のない人が書いたからこそ書けた本だと思う。

1964年のジャイアント馬場

柳澤健渾身の評伝。
立ち読みでも良いから手に取って見て頂きたい。
掲載されているアメリカ時代のジャイアント馬場の写真を。
雄弁。
ジャイアント馬場が何に直面して、何を考えて、どう行動したのか、証言を緻密に組み合わせて浮かび上がらせている。

「1976年のアントニオ猪木」も素晴らしかったが、これはもっと素晴らしい。
「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」と三冊読んだことで今のプロレスに対する理解が大変深まりました。
なぜ全日本プロレスがああなったのか。
なぜ新日本プロレスがああなったのか。
その後、日本のプロレスがこうなったのか。
かなり見通しの良い視座を得られました。

僕はプロレスを好きになればなるほど、知れば知るほど、試合以外のことについては沈黙せざるを得ないというジレンマを抱えていますが、その苦しみが増したとしてもこの本を読んで良かったと思います。
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