柳澤健渾身の評伝。
立ち読みでも良いから手に取って見て頂きたい。
掲載されているアメリカ時代のジャイアント馬場の写真を。
雄弁。
ジャイアント馬場が何に直面して、何を考えて、どう行動したのか、証言を緻密に組み合わせて浮かび上がらせている。

「1976年のアントニオ猪木」も素晴らしかったが、これはもっと素晴らしい。
「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」と三冊読んだことで今のプロレスに対する理解が大変深まりました。
なぜ全日本プロレスがああなったのか。
なぜ新日本プロレスがああなったのか。
その後、日本のプロレスがこうなったのか。
かなり見通しの良い視座を得られました。

僕はプロレスを好きになればなるほど、知れば知るほど、試合以外のことについては沈黙せざるを得ないというジレンマを抱えていますが、その苦しみが増したとしてもこの本を読んで良かったと思います。