IWGPヘビー級選手権試合。
NOAH離脱後の鈴木みのるはここで勝つことを軸に行動を積み重ねてきた。
鈴木みのるのすごさは技の正確性、体の強さではなく、自分のやりたいことを世間に向かって
どうアピールをするとどう響くのか計算尽くで向かってきていることではないだろうか。
その結果、オカダの右足をひたすら責めるという地味な試合展開でも(大きな会場ではとても映えると思えない)
観客は固唾を呑んで見守っていた。
彼が繰り出すその地味な技がどんな意味を持ってオカダに襲い掛かっているのか
丁寧にレクチャーしてきてくれたからだ。
この試合については、当日に至るまでの鈴木みのるのインタビューも大変面白かった。
その中で「他の奴はすごい高いところからすごい技で叩きつけなきゃ伝わらないんだろ?俺はせいぜい50センチの落差で十分だ。」と答えていて、非常に感銘を受けた。
そして実際、オカダはその50センチの落差のゴッチ式パイルドライバーだけを全力で回避した。

正月のケニーオメガとの試合もすごかったが、この試合も素晴らしかった。
両試合ともオカダではなくて、ケニーであり鈴木が強く印象に残るというところが、
オカダのチャンピオンらしいところであるなあと、試合が終わってしばらく経った今になると思う。