帰り道、自転車にまたがった途端に歌をうたいたくなって。
適当にもぞもぞと唸っていたら、いつのまにかそれは
「NOT FOUND」
で。
あの歌の冒頭のもじゃもじゃした部分に、何かの弾みでつながってしまったのだ。
そこは歌詞もうろ覚えなのだが、それがまたいい。
もじゃもじゃもぞもぞ感にドライブがかかる。
段々世間から世界から自分から開放されていって盛り上がりを迎える。

はがゆくともー
せつなくともー
ほーほーえみうぉー!

と月に吼えていたら
ベンチに座っていたおじいさんがパチパチと手を叩いて、
おじいさんに気付いていなかった俺はもひとつ
うぉー
と吼えたのだった。